少子高齢化やIT技術の進歩などにより、在宅で仕事をする人が増えています。
テレワークや在宅勤務が促進されることによって、自宅から会社への通勤時間を削減することができますし、介護や育児などのプライベートと仕事を両立することが可能です。
在宅勤務をする場合、高いセキュリティ性の確保と業務効率性の向上が求められます。
そこで、必要となるのが、シングルサインオンの技術です。
在宅勤務やテレワークで、なぜシングルサインオンが必要になるのでしょうか。3つのポイントを紹介します。
オフィス以外の場所から、ユーザーが安心・安全にシステムにアクセスできるようにするためには、会社が利用を許可しているデバイス以外のアクセスを確実に排除する必要があります。
ユーザーが利用するデバイスは、パソコンだけなく、タブレットやスマートフォンなど多岐にわたりますし、ユーザーのITセキュリティに関する知識も様々です。十分にセキュリティ対策がとられていない、自宅のデバイスからシステムを利用することは、情報漏洩や、ウィルスへの感染のリスクが高まります。
そのため、シングルサインオンの技術を活用し、システムには、会社が許可しているデバイスからのアクセスのみ許可する仕組みが必要となるのです。
クラウドサービスや、社内の各システムの認証環境を統合させることによって、アクセス可能なデバイスや、各ユーザーがアクセスできる範囲を管理しやすくなります。オフィス以外からのアクセスをコントロールしやすくなることによって、セキュリティレベルの低下を防ぐことができるようになります。
オフィス以外の場所から、ユーザーがシステムにアクセスできるようにするためには、SSL通信を実現するための証明書の発行や、各ユーザーのアクセス制限の設定など、システム管理者に求められる業務は増えていきます。
シングルサインオンを導入していない場合、各ユーザーがアクセスするアプリケーションやサービスごとに、申請手続きや設定が必要になります。1人のユーザーが10種類のアプリケーションにアクセスする場合、ユーザーが10人になったら、管理者は100もの設定をしなければなりません。
ユーザーが増えれば増えるほど、システムへのアクセス経路が増えれば増えるほど、管理が煩雑になり、システム管理者の負担は大きくなります。
シングルサインオンの技術を用いて、ユーザーのIDとパスワードを統合することによって、IDや認証の管理作業負荷を軽減することができます。システム管理者の負担軽減、運用管理の工数削減という観点からも、シングルサインオンは有効です。
オフィス以外の場所からアクセスできる環境が用意されても、導入がなかなか進まないことがあります。テレワークや在宅勤務が進まない原因の1つには、セキュリティ面で不安あるなど、ユーザーの心理的な要因があります。そのため、企業は、自宅からでも安心して利用できる仕組みを用意し、広く周知する必要があります。
シングルサインオンの技術を用い、認証基盤を統一することによって、万が一、不正アクセスをされても、ログの記録を追いやすくなりますし、ユーザーは煩雑なIDやパスワード管理から解放されるというメリットもあります。
多要素認証や、パスワードポリシーの強化などによってセキュリティレベルを高め、リモートワークユーザーの安心につなげていくと良いでしょう。
オフィスに縛られることなく、社員が安心して在宅勤務ができるようにするためには、信頼できるIT環境の整備が必要不可欠です。
安心・安全なテレワーク環境の構築は、多様なワークスタイルを実現することができます。シングルサインオンの技術を活用し、様々な働き方の推進につなげてみてはいかがでしょうか。
(画像は写真ACより)